猛毒はどこからくるのか

日本独特の味覚とされるフグですが、「養殖フグには毒がない」と言われることがあります。本当にそうなのでしょうか?なら、養殖されたフグが普通にスーパーに並んでいてもおかしくなさそうですよね。 実際には、養殖フグに毒は「ないかもしれないけど、あることもある」というのが結論です。フグには、もともと毒はありません。毒蛇やハチなどのように、体内で毒を作ってそなえているわけではないのです。フグの毒は、彼らが食べるプランクトンの毒が体内(主に肝臓や卵巣)にたくわえられることによって、生じるものです。 養殖の状態では、人が管理する餌を与えます。ほかに何も食べなければ、フグは毒の元になるものを摂取しませんので、無毒なフグになります。しかし、海を網で仕切った養殖場に毒性のあるプランクトンが入りこまないとは断言できません。そのため、養殖のフグに毒がある「可能性」は抜けないのです。 ちなみに、海外ではフグの毒(テトロドトキシン)の強烈さはとても怖れられていまして、フグを食べる日本人に対して不思議な論評が見られることがあります。いわく、武士道と日本人を絡めて、「死と決然と向かい合う美意識」のようなことを言われたり、「勇気を見せるための食べ物」などと断じられていることもありますが、しかし日本人がフグを食べるのは単純に「うまいから」でしょう。フグの調理免許はとても厳格ですし、包丁やまな板の管理も厳しく定められています。全国でも年間に2、3人ほど死者が出ますが、ほとんどが素人による調理が原因であり、一般の食中毒による死者よりもはるかに少ない数字なのです。

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