脂をとるか、歯ごたえをとるか

フグ、ウナギ、ヒラメなど、いまや多くの魚が養殖されており、市場に安定して魚を供給する力になっています。最近ではマグロを養殖する技術も開発されてきて、これからどんどんふえていく海産物消費を支えるために注目を集めています。海産資源は限られていますので、それを人の手で補える養殖技術の発展には、大きな期待がかけられているのです。 フグでもウナギでもブリ(ハマチ)でも、「天然物」として売られているものはちょっと高いですよね。養殖と天然ものにはどのようなちがいがあるのでしょうか。 養殖と天然で大きく異なるのは、まず環境。海を自由に動き回れる天然魚にくらべて、養殖の魚はどうしてもいけすのなかで動きが制限されます。餌も与えられますので、飢えることがないかわりに、餌を探して動き回ることも少なくなります。 魚によっても差がありますが、「天然は筋肉が発達して歯ごたえがある・養殖は脂が乗っていて身がやわらかい」というのが一般的な特徴です。そのため、照焼きなど余分な脂が落ちる料理には、養殖物を使った方が味がこってりして「おいしい」と感じられることもあります。うなぎでも「やわらかい・脂が乗っている」と感じやすいのは養殖ですが、天然うなぎの身のひきしまった歯ごたえや香ばしさは好きな人にはたまりません。好みもありますし、それぞれにあった調理法をするのも大事です。 魚のおいしさは、流通の時の環境にもよります。締めや、流通の状態が適正であるかどうかの方が、養殖か天然かよりも味を左右しますので、魚を買う時にはその魚をよく見て、状態を判断するようにしましょう。

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